ゴール下の彼女
「よ、よろしくねっ…。え、えと…弥杞って呼んでください…。」
ペコリと頭を深く下げて教壇から降りるとおおっと声があがる。
そう、私の身長は180センチ。
かなりの身長だと思う。割りとコンプレックスだ…。
「弥杞、アンタ、でかすぎ。」
ひぇー、と声を漏らし、右手をオデコにあて見上げる梨華。
「あ、席こっち。」
梨華に手を引かれて着いたのは窓際の後ろから二番目。
回りには人が居るわけで…。
よろしく、よろしくね、よろです、とたくさん声がかかる。
おどおどしながら、ペコペコと頭を下げる。