ゴール下の彼女


そして授業……

は、はじまらなかった。

1日交流ということになり、みんなが私に集まってくる。

けれど、男子が内側、女子が外側という完璧なる包囲をされてしまった。

――そう、これは後に悪夢へと。

――ただ一歩、一歩、踏みしめる行為だった。


「ねぇ誕生日は!?」


「好きな食べ物は!?」


「本って読む?」


「声綺麗だね?なにか歌ってよ!」


「制服かっこいく見えるね!」


「メイクしよ、似合うよ。」


「普段はどんな服着てるの?!」


なんて次々飛んで来て。

私はもじもじしてしまい、答えれたのは最初の方だけだった。

――踏んでいく、悪魔へのカウントダウン。

――私が悪かったよ、なんて、悔やんでも、もう…私は……。


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