君の笑顔が
☆1章☆
出逢いは突然
ザーザー降りの雨。
「じゃあな!」
「おぅ!」
さっさと帰ろ。
石塚雅也。
18歳の大学1年。
傘をさし、家路を急いだ。
…?
ふと、視界に何かが写り、歩いてる足を止めた。
そこには、雨の中自販機の横に女がいた。
こんな時間に何してんだ?
ケータイを開くと、もう夜中の12時を回り、日付が変わっている。
「…大丈夫?」
つい、俺は声をかけてしまった。
彼女は顔をあげた。
まだ多少の幼さはあるが、大人っぽい顔立ち。
高校生か大学生…。
まぁ俺と年齢が変わらなさそうだ。
「なにしてんの?」
雨が当たらないよう彼女を傘に入れた。
「別に…」
「ふーん。ま、いいけど。風邪引くよ?」
「関係ない…」
「あ、そう…?まぁ、これやるよ!じゃ!」
俺は彼女に傘を渡して、走った。
微かに彼女の声が聞こえたが、気にとめなかった。