君の笑顔が


「…話したい。ユキと会って話したい。ユキと出会った場所で、ユキが来るまでずっと待ってるから。」



そう伝言にいれ、切った。


ユキ。




伝言通り、ユキが来るまで俺はユキと出会った場所で待つことにした。



さみぃ。

でもユキに会うため。


この日は一日中待った。



毎日毎日。
休みの日は一日中。
学校の日は学校が終わって即行。
バイトの日もバイトの休憩時間、バイト終わってから。



でもユキはいっこうに姿を表さなくて。

正直俺も弱っていた。



もう何日目だろ…。


「はぁ…」


大学からの帰り道、家の最寄り駅で降り歩いていたら、ある声が聞こえてきた。


「いい加減にしろよ!ふざけんな!」


なんか一方的に切れてんなぁ。


「おまえさ、俺の女だろ?浮気なんかしてんじゃねぇよ!」


女は言い返さないのか?


俺は顔を見ず、会話だけ…いや、一方的な怒鳴り声だけ聞いていた。


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