君の笑顔が
待ち合わせ
「あ、ユキ♪」
「…」
待ち合わせした通りの時間についた俺。
ユキは先にいた。
ユキは全く表情を変えずにいた。
「どうしよっか?」
「…なんでも」
話が進まない。
この子は欲や甘えがないのか?
女って、あそこ行きたいどこ行きたい。買ってだの、やだだの…。
俺の勝手な女へなイメージか?
いや。そんなことはないよな?
今まで付き合ってたことはあんだし。
歴代彼女たちにいたわけで。
「どこ行きたいとかないの?」
「ないよ?」
…扱いづらい。
でも、世の中にこんな子もいるんだ。
感心してしまった。
じゃなくて…。
「とりあえず、そこのカフェででも入って決めようぜ?」
「…うん」
…意外と素直なんだ。
もっとユキを知りたい。