~デンファレ~
 店のすぐ側に隠れスポット的な
  
 街を見渡せる丘がある。

そこまで走った。


私は、いつもそこで考えたり

泣いたりしている。


泣く方が多いけど。

ベンチに座り声を殺して泣いていた。


「…うっ…うっ……!」


「…泣くときは、声を出して泣かないと!

   もっと苦しくなるよ!」


その声で、一瞬涙が止まった。


振り向くと、彼が笑顔で立っていた。
 

「…小さい頃ある女の子から教わったんだ。

 ゙ちゃんと声を出して泣かないと

  もっと苦しくなるよ゛って!」


今度は、彼が私の前にしゃがんでハンカチで


涙を拭いてくれた。


 隣に座り何も聞かずに

  景色を見ていた。


「…ここから見る景色最高だね!」


「…はい…一番好きな場所です…。」


私は、少し震えた声で答えた。


「…あの…何かすいません…恥ずかしいです。」


「…別に…こっちこそ恥ずかしいよ!涙拭いてくれた

 でしょ!」

私は、驚き彼を見た。少し赤くなってるのが見えた。


「…ふふ…気づいてたんですか~!」


「…まぁ~ね。…顔に手が触れた時にね。」

彼は立ち上がり

「…寒いし戻ろか!」

と手を出してきた。


「繋ぎませんよ!」

私は立ち上がり言った。

「残念!…」

私は彼より先に歩いた。


 後ろから彼が話し掛けきた。

 
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