~デンファレ~
 まだパーティーは続いている。

 部屋に入った私達はソファーに座った。

私は、なかなか答えを出せずにいる。

    俯いている私に彼は語り出した。


「……急に言われたら困るよね…

 俺………親父の事憎んでて。あの人の思いどうりに

させたくないんだ。…何もかも

 ……今日…母の命日で

あの人はそんな事忘れて笑ってた。殺したくせに……」


私は驚いて顔を上げた。

彼は悲しく微笑んで話を続けた。


「…命日と同じ日に誕生日も来るんだ。

 さっきの電話妹なんだ…今日で10歳…゙おめでとゔ

の一言さえ言えない。

最低で…情けない…妹は何も悪くないのに

おまけにここに来て迷惑かけて

…もう時期、会社の創立記念パーティーがあるんだ

そこであの人は勝手に俺の結婚相手を紹介するらしい

思いどうりにさせたくない……

それに祖母に嘘でもいいから奥さん紹介したいんだ。            
   だから探してたんだ

 妻になってくれる人。キミに出会って

 …妻になって欲しいって思った。」


私は、立ち上がり深呼吸をして言った。


「…はぁ~ふぅ~…やります!ちゃんとお金…貰います

から!私借金があってそれを返済できる額を下さい。

 それから……え~と……」

「…何でもする。キミが望むなら!」


彼は立ち上がり私の手を握って答えた。

(…本当に…私で良いのだろうか?…でもこの人の

 役に立ちたかった!…何でだろう?断ったら

また会えなくなる気がした。…また?…またって?
 
 何でそう思ったんだろう…)




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