~デンファレ~
 ビックリして手を引こうとしたけど


 
  握る力が強かった。



 握られ恥ずかしいけど何故か



嫌ではなかった。



私は、握られいる手に懐かしさを感じていた。



(…いつだろう…懐かしい…………子どもの頃?……)


 
思い出そうとしても


 
 思い出せない。



私には、幼少期の記憶が一部だけない。



  私は、手を見つめたまま考えていた。



(…気のせいか……。男の人に手を握ぎられたのが


   パパ以来だからかなぁ…。)



「……プニプニした手だね………気持ちいい……」



 いきなり声がして目線だけ彼に向けた。


 
 目と目が合って私達は



  見つめ合う形になってしまった。



「……それで、何で手…握ってんのかな?」



彼は、私の手を握ったまま言った。



「…私は握ってません!握られているんです!」



少し強い口調で私は答えた。



「…あっ…そうだね……俺が握ってる。」



それでも彼は、手を離さない。



私はまた恥ずかしくなり




立ち上がり思いっきり手を振り払った。




そのせいで私は、勢い過ぎて



バランスを崩した。




 とっさに彼は、私の手を取って



 
 引っ張ってくれた。




 私は、彼に抱き締められる形になった。








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