TABOO Ⅰ~カーテンに隠れて~ 


あたしの背に腕を回したまま、カーテンを引く長い指を見て呟いた。


図書室の奥にある狭い書庫は、乾いた紙の匂いと放課後の緩い空気に包まれている。


「当たり前だろ」

「どうして?」

「どうしてって…」


呆れた様な低い声が、耳元で心地よく響く。


「ここは学校だからだ」


そう言って、彼の温もりが悪戯に笑うあたしの唇を塞いだ。


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