TABOO Ⅰ~カーテンに隠れて~
少し開いていた窓から入りこんだ生温い風に髪を撫でられ、腕の中でそっと目を開ける。
…いつのまに…
フワリと揺れたカーテンの隙間から覗いた空はついさっきまでオレンジだったのに、キスにかまけている間にすっかり色を変えていた。
校庭では、サッカーをする生徒が数人。
霧のような雨が地面と彼らの制服のシャツを湿らせていくのをボンヤリ眺めていると、その中の1人が急に走るのを止めこちらを見上げた。
距離は30メートルくらい。
だけど真っ直ぐに見据えてくる薄茶色の瞳に、心臓がドクンと音を立てた。