魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
部屋に戻ると、部屋を出た時とは明らかに表情が違うラスを見たデスは僅かに口角を緩めて微笑してじっと腹を見つめた。
「デスには見えてる?私ずっと塞ぎ込んでたから…大丈夫?病気になってない?」
「………うん……元気…」
子供もラスも元気でラスの手を握ろうとドアの前から立ち上がると、コハクがラスの背後でしっしと手で追い払うような仕草をした。
邪魔者扱いをされてむっとなり、ここで膝を抱えて駄々をこねてやろうかと一瞬悪巧みをしたが、そんな気持ちになるのもはじめてのこと。
にこにことまではいかないが、笑顔のラスをちらっと見たデスが無言のままその場を離れて行ったのでラスが首を傾げたが――コハクはラスの手を引っ張って部屋に連れ込む。
「灯りオフ!ルゥが寝た後、俺、本格始動!」
「コー、張り切り過ぎ」
「そりゃ隅々までチビを見なきゃいけねえし、灯りがついてたら恥ずかしいだろ?俺はばっちり見えるから大丈夫!」
コハクがぱちんと指を鳴らすと部屋中の灯りが全て消えた。
コハクを見上げたラスは、コハクの瞳に鮮やかな赤を見て見惚れつつも手を引かれてベッドに一緒に座った。
「コー…見てて」
「へっ?……う、うわあっ!ち、チビ!!」
意を決してすくっと立ち上がったラスは、ワンピースの前面にあるボタンを全て外して床に落とした。
下着だけの姿になったが――今思えばコハクは人形のように動かなかった自分を毎日風呂に入れてくれて下着も服も着せてくれていたのだ。
今さら恥ずかしがることもないかと豪胆な気分になったラスは、両腕を広げてコハクの表情を窺った。
「どう?どこかおかしいところはない?」
「……ねえよ、全部綺麗だ。チビ、ちゃんと全部元に戻ってる。でも俺、ばあさんだったチビも嫌いじゃなかったぜ。逆に萌えた!」
「コーの馬鹿、私はつらかったのに」
「わかる。わかるけど、俺が全部忘れさせてやるから。今乗り越えられねえことは無理にどうこうしなくていい。チビ…俺たちはずっと一緒に永遠に生きてくって決めただろ?俺が絶対なんとかしてやるから」
ラスの前に立ったコハクは、不安げな表情で見上げてくるラスの頬にキスをしていきなり抱っこすると、そっとベットに横たえさせた。
…ルゥにはラスに内緒で眠たくなる魔法をかけてあり、すでにベビーベッドで熟睡中だ。
チビを助けるんだ。
俺なりの方法で。
「デスには見えてる?私ずっと塞ぎ込んでたから…大丈夫?病気になってない?」
「………うん……元気…」
子供もラスも元気でラスの手を握ろうとドアの前から立ち上がると、コハクがラスの背後でしっしと手で追い払うような仕草をした。
邪魔者扱いをされてむっとなり、ここで膝を抱えて駄々をこねてやろうかと一瞬悪巧みをしたが、そんな気持ちになるのもはじめてのこと。
にこにことまではいかないが、笑顔のラスをちらっと見たデスが無言のままその場を離れて行ったのでラスが首を傾げたが――コハクはラスの手を引っ張って部屋に連れ込む。
「灯りオフ!ルゥが寝た後、俺、本格始動!」
「コー、張り切り過ぎ」
「そりゃ隅々までチビを見なきゃいけねえし、灯りがついてたら恥ずかしいだろ?俺はばっちり見えるから大丈夫!」
コハクがぱちんと指を鳴らすと部屋中の灯りが全て消えた。
コハクを見上げたラスは、コハクの瞳に鮮やかな赤を見て見惚れつつも手を引かれてベッドに一緒に座った。
「コー…見てて」
「へっ?……う、うわあっ!ち、チビ!!」
意を決してすくっと立ち上がったラスは、ワンピースの前面にあるボタンを全て外して床に落とした。
下着だけの姿になったが――今思えばコハクは人形のように動かなかった自分を毎日風呂に入れてくれて下着も服も着せてくれていたのだ。
今さら恥ずかしがることもないかと豪胆な気分になったラスは、両腕を広げてコハクの表情を窺った。
「どう?どこかおかしいところはない?」
「……ねえよ、全部綺麗だ。チビ、ちゃんと全部元に戻ってる。でも俺、ばあさんだったチビも嫌いじゃなかったぜ。逆に萌えた!」
「コーの馬鹿、私はつらかったのに」
「わかる。わかるけど、俺が全部忘れさせてやるから。今乗り越えられねえことは無理にどうこうしなくていい。チビ…俺たちはずっと一緒に永遠に生きてくって決めただろ?俺が絶対なんとかしてやるから」
ラスの前に立ったコハクは、不安げな表情で見上げてくるラスの頬にキスをしていきなり抱っこすると、そっとベットに横たえさせた。
…ルゥにはラスに内緒で眠たくなる魔法をかけてあり、すでにベビーベッドで熟睡中だ。
チビを助けるんだ。
俺なりの方法で。