魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
なんだか…
誰かに頬を突かれている気がする…
「……んん……?」
ゆっくりと目を開けたアーシェは、ラスが自分の頬杖を突いて頬を突いていた。
元気になったんだ…とほっとした一方で、なんだか申し訳ない気持ちになって、ラスの指を握って唇を噛み締めた。
「俺が傍に居たのに目の前で攫われたんだ。ごめん…」
「ううん、アーシェのせいじゃないよ。あの人はコーに退治されちゃったからもう居ないんだって。それよりアーシェ!あの彫像、すっごく綺麗だねっ」
「だって…あんたが綺麗だから…」
きょとんとしていたラスの顔がへにゃっと笑い顔になり、恥ずかしくなったアーシェは頭にシーツを被りつつそこが作業部屋でないことに気付いた。
そして辺りを見回して、そこがコハクとラスの部屋であることに気付く。
…薄いピンク色の天蓋付のベッドで寝ていたのだ。
「う、わ…!俺起きる!」
「なんで?ゆっくり寝てていいよ。ルゥちゃん、アーシェが起きたよ。パパとそっくりだねえ、抱っこしてもらおっか」
「あいい!」
両腕を伸ばして抱っこをせがむルゥをアーシェの胸の上に乗せると、ルゥはアーシェに顔を寄せてくんくん匂いを嗅いだ後べったり張り付いて離れなくなった。
ラスがにこにこしているとどこかへ行っていたコハクが戻って来て、まん丸になってソファで寝ていたデスに何やら声をかけて慌ただしい様子。
「コー、どうしたの?」
「あの彫像を今から運ぶんだ。壊さねえようにしねえとだから魔法使って運ぼうと思う」
「!私もついてく!」
いそいそとルゥを抱っこしてベビーカーに乗せたラスは、アーシェに手を伸ばす。
「行こ。アーシェが作ってくれた彫像ね、今から噴水のとこに運ぶの。街に飾ってもいいんだったよね?」
「ああ、まあそりゃ…。で、でもなんだよこの動物たち…」
部屋の中にうようよいる動物たちに驚いてベッドから降りれないアーシェの手を引っ張って無理矢理部屋から連れ出したラスは、少しだけ大人びた微笑を浮かべてアーシェをどきっとさせた。
「色々あったの。後でゆっくり話すから、今は噴水のとこに行こ?」
歩み寄ってきたコハクが優しくラスの肩を抱く。
本当にお似合いの2人だな、と思いつつ、また創作意欲が湧いてきた。
誰かに頬を突かれている気がする…
「……んん……?」
ゆっくりと目を開けたアーシェは、ラスが自分の頬杖を突いて頬を突いていた。
元気になったんだ…とほっとした一方で、なんだか申し訳ない気持ちになって、ラスの指を握って唇を噛み締めた。
「俺が傍に居たのに目の前で攫われたんだ。ごめん…」
「ううん、アーシェのせいじゃないよ。あの人はコーに退治されちゃったからもう居ないんだって。それよりアーシェ!あの彫像、すっごく綺麗だねっ」
「だって…あんたが綺麗だから…」
きょとんとしていたラスの顔がへにゃっと笑い顔になり、恥ずかしくなったアーシェは頭にシーツを被りつつそこが作業部屋でないことに気付いた。
そして辺りを見回して、そこがコハクとラスの部屋であることに気付く。
…薄いピンク色の天蓋付のベッドで寝ていたのだ。
「う、わ…!俺起きる!」
「なんで?ゆっくり寝てていいよ。ルゥちゃん、アーシェが起きたよ。パパとそっくりだねえ、抱っこしてもらおっか」
「あいい!」
両腕を伸ばして抱っこをせがむルゥをアーシェの胸の上に乗せると、ルゥはアーシェに顔を寄せてくんくん匂いを嗅いだ後べったり張り付いて離れなくなった。
ラスがにこにこしているとどこかへ行っていたコハクが戻って来て、まん丸になってソファで寝ていたデスに何やら声をかけて慌ただしい様子。
「コー、どうしたの?」
「あの彫像を今から運ぶんだ。壊さねえようにしねえとだから魔法使って運ぼうと思う」
「!私もついてく!」
いそいそとルゥを抱っこしてベビーカーに乗せたラスは、アーシェに手を伸ばす。
「行こ。アーシェが作ってくれた彫像ね、今から噴水のとこに運ぶの。街に飾ってもいいんだったよね?」
「ああ、まあそりゃ…。で、でもなんだよこの動物たち…」
部屋の中にうようよいる動物たちに驚いてベッドから降りれないアーシェの手を引っ張って無理矢理部屋から連れ出したラスは、少しだけ大人びた微笑を浮かべてアーシェをどきっとさせた。
「色々あったの。後でゆっくり話すから、今は噴水のとこに行こ?」
歩み寄ってきたコハクが優しくラスの肩を抱く。
本当にお似合いの2人だな、と思いつつ、また創作意欲が湧いてきた。