魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
リロイとティアラが駆けつけてくれたように、この日ラスがとても驚く人物がひょっこり顔を出した。
よちよち歩くルゥと一緒に庭で動物たちと戯れていた時、突然背後からかかった声にラスの瞳が輝く。
「やあ、私のプリンセス」
「!お父様!どうしてここにっ?わあ、知らなかった!」
「チビが喜ぶと思ってさー、俺がドラを飛ばして迎えに行かせてたんだ。どうだ、驚いたろ?嬉しいだろ?」
とにかくラスに誉めてもらいたくて仕方ないコハクがルゥと一緒に木にぶら下げたブランコで遊びながらしきりに問うたが、ラスは両腕を広げて待っている最愛の父親の胸に飛び込んで行ってしまって魔王、膨れっ面。
父親になって少しは寛大になったかと思いきや、魔王は相変わらずでカイを笑わせると、ラスの腹を撫でた。
「順調かな?まさかの2人目と聞いて驚いたよ」
「どうして?パパはコーなんだもん、これからも沢山できるよ」
「そうそう!チビは俺のことよーくわかってる!お前こそチビの弟はどうした?」
「ソフィーの傍ですやすや眠ってるよ。ラス…お母様が心配していたよ。会いに戻って来ないかい?」
「ううん、私じっとしてなきゃコーに怒られるからここでいいの。お父様こそ時間がないのに会いに来てくれたんだよね。私のことが心配で?」
ラスとソフィーとの確執の原因は、自分にある。
そう自覚しているコハクだが…ラスが庇ってくれるのは本当に嬉しい。
それに自分が間に入ると余計にこじらせてしまうような気がするので、敢えて口を挟まずにルゥとのブランコ遊びに専念した。
「君のことはいつだって心配なんだ。お母様に会えないのなら、弟に会ってみないかい?」
「うん、2人目が産まれたら会いに行くね。今は本当に無理なの。ルゥが歩きはじめてから余計に目が離せないし、コーに怒られるから」
――常日頃コハクからくどくどと色々注意を聞かされている様子がその口ぶりでわかる。
ソフィーもラスに会いたがっているのだが、肝心のラスにその気がなく、それ以上口出しをしない方が賢明だと判断したカイは、にこっと笑って隣に腰かけると子供の頃してやっていた時のようにラスを膝に乗せた。
金髪碧眼の勇者――
父親を常に憧れの眼差しで見ていたラスはそれを喜んでカイに抱き着いたが、魔王はぷんすかで膨れっ面。
「おいルゥ、ママがパパ以外の男に抱っこされてんだぞ。なんか言ってやれ!」
「あうー!まー!まー!」
構ってほしい2人組の抗議にラスの笑い声が弾けた。
よちよち歩くルゥと一緒に庭で動物たちと戯れていた時、突然背後からかかった声にラスの瞳が輝く。
「やあ、私のプリンセス」
「!お父様!どうしてここにっ?わあ、知らなかった!」
「チビが喜ぶと思ってさー、俺がドラを飛ばして迎えに行かせてたんだ。どうだ、驚いたろ?嬉しいだろ?」
とにかくラスに誉めてもらいたくて仕方ないコハクがルゥと一緒に木にぶら下げたブランコで遊びながらしきりに問うたが、ラスは両腕を広げて待っている最愛の父親の胸に飛び込んで行ってしまって魔王、膨れっ面。
父親になって少しは寛大になったかと思いきや、魔王は相変わらずでカイを笑わせると、ラスの腹を撫でた。
「順調かな?まさかの2人目と聞いて驚いたよ」
「どうして?パパはコーなんだもん、これからも沢山できるよ」
「そうそう!チビは俺のことよーくわかってる!お前こそチビの弟はどうした?」
「ソフィーの傍ですやすや眠ってるよ。ラス…お母様が心配していたよ。会いに戻って来ないかい?」
「ううん、私じっとしてなきゃコーに怒られるからここでいいの。お父様こそ時間がないのに会いに来てくれたんだよね。私のことが心配で?」
ラスとソフィーとの確執の原因は、自分にある。
そう自覚しているコハクだが…ラスが庇ってくれるのは本当に嬉しい。
それに自分が間に入ると余計にこじらせてしまうような気がするので、敢えて口を挟まずにルゥとのブランコ遊びに専念した。
「君のことはいつだって心配なんだ。お母様に会えないのなら、弟に会ってみないかい?」
「うん、2人目が産まれたら会いに行くね。今は本当に無理なの。ルゥが歩きはじめてから余計に目が離せないし、コーに怒られるから」
――常日頃コハクからくどくどと色々注意を聞かされている様子がその口ぶりでわかる。
ソフィーもラスに会いたがっているのだが、肝心のラスにその気がなく、それ以上口出しをしない方が賢明だと判断したカイは、にこっと笑って隣に腰かけると子供の頃してやっていた時のようにラスを膝に乗せた。
金髪碧眼の勇者――
父親を常に憧れの眼差しで見ていたラスはそれを喜んでカイに抱き着いたが、魔王はぷんすかで膨れっ面。
「おいルゥ、ママがパパ以外の男に抱っこされてんだぞ。なんか言ってやれ!」
「あうー!まー!まー!」
構ってほしい2人組の抗議にラスの笑い声が弾けた。