魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
忙しくしていたせいで最近ラスの寝顔すらまともに見ることができなかったコハクは、膝の上に乗ってきたラスが頬ずりをして甘えてきたので、有り得ないほどにどきどきしてしまい、口ごもった。
「ち、チビ…その…そんなことされると俺が張り切っちゃいそうなんだけど…」
「いつもしてるでしょ。最近は挨拶のキス位しかしてなかったけど…コー、私寂しかったの。このまま放っておかれたら、もしかしたらデスと浮気しちゃってたかも」
「はっ!?ちょ…その冗談マジで笑えねえんだけど!放っておくつもりなんか全然なかったんだ。だけど最近あいつらが『幼稚園』を作りたいって言うからさ」
最近、改造済みの魔物たちから提案された『魔物の幼稚園』構想。
人口が増えれば必然的に子供も増える。
グリーンリバーは元々王国だった土地の上に作られた街なので、まだまだ人が住める余地はあるが、何もやみくもに移り住みたいと行って来る人々を受け入れているわけではない。
それにリロイが治める隣国のクリスタルパレス王国の政務が軌道に乗り、あちらにもまだまだ改革の余地があるために協力を求められることも多く、やらなければならないことが増えすぎて、ラスとの時間が減っていたのは確かだった。
「魔物の幼稚園のこと?みんな子供が大好きだもんね、ルゥももう少し大きくなったら通わせようかな」
「それもいいかもな。そしたら俺とチビの時間が増えるだろ?チビ…寂しくさせててごめん。俺だっていちゃいちゃしたかったし、あんなことやこんなこともしたかったし。でも我慢してたし。だからさ…その…なんだ…つまり…」
さりげなく首筋にキスをしてラスの胸を触ろうとしたものの、その手を思いきりつねられて撃退されると、ラスの頬はほんのり赤くなりつつも唇は少し尖っていた。
「駄目、お預け。新婚旅行に出たら…いいよ。それまでは駄目。だからお仕事早く終わらせてね」
「お預け!めっちゃコーフンする!じゃあ一緒に風呂に入るのも無し!?」
「うん、無し。でもお仕事が全部終わったら…コーがしたいこと全部叶えてあげる」
俄然やる気が出た色ぼけ魔王は、言った傍から恥ずかしがってころんとソファに横になったラスに覆い被さるようにして顔を近付けて、キスを迫った。
「キスくらいはいいだろ?それで頑張るから。明日全部終わらせるからさ」
「うん、わかった。……ん…」
舌を絡めてキスをして、息ができなくなったラスに背中を叩かれてようやく唇を離したコハクは、にやにやしながら背中からラスを抱きしめて様々な妄想を巡らせた。
「コー、背中になんかあたってる」
「だってエンジンフルスロットル中だし。落ち着け俺。新婚旅行まで我慢!」
久々にラスの可愛い笑い声を聞くことができてときめきながら、フィーバー中の魔王は本気で明日すべての仕事を終わらせる気満々でいた。
「ち、チビ…その…そんなことされると俺が張り切っちゃいそうなんだけど…」
「いつもしてるでしょ。最近は挨拶のキス位しかしてなかったけど…コー、私寂しかったの。このまま放っておかれたら、もしかしたらデスと浮気しちゃってたかも」
「はっ!?ちょ…その冗談マジで笑えねえんだけど!放っておくつもりなんか全然なかったんだ。だけど最近あいつらが『幼稚園』を作りたいって言うからさ」
最近、改造済みの魔物たちから提案された『魔物の幼稚園』構想。
人口が増えれば必然的に子供も増える。
グリーンリバーは元々王国だった土地の上に作られた街なので、まだまだ人が住める余地はあるが、何もやみくもに移り住みたいと行って来る人々を受け入れているわけではない。
それにリロイが治める隣国のクリスタルパレス王国の政務が軌道に乗り、あちらにもまだまだ改革の余地があるために協力を求められることも多く、やらなければならないことが増えすぎて、ラスとの時間が減っていたのは確かだった。
「魔物の幼稚園のこと?みんな子供が大好きだもんね、ルゥももう少し大きくなったら通わせようかな」
「それもいいかもな。そしたら俺とチビの時間が増えるだろ?チビ…寂しくさせててごめん。俺だっていちゃいちゃしたかったし、あんなことやこんなこともしたかったし。でも我慢してたし。だからさ…その…なんだ…つまり…」
さりげなく首筋にキスをしてラスの胸を触ろうとしたものの、その手を思いきりつねられて撃退されると、ラスの頬はほんのり赤くなりつつも唇は少し尖っていた。
「駄目、お預け。新婚旅行に出たら…いいよ。それまでは駄目。だからお仕事早く終わらせてね」
「お預け!めっちゃコーフンする!じゃあ一緒に風呂に入るのも無し!?」
「うん、無し。でもお仕事が全部終わったら…コーがしたいこと全部叶えてあげる」
俄然やる気が出た色ぼけ魔王は、言った傍から恥ずかしがってころんとソファに横になったラスに覆い被さるようにして顔を近付けて、キスを迫った。
「キスくらいはいいだろ?それで頑張るから。明日全部終わらせるからさ」
「うん、わかった。……ん…」
舌を絡めてキスをして、息ができなくなったラスに背中を叩かれてようやく唇を離したコハクは、にやにやしながら背中からラスを抱きしめて様々な妄想を巡らせた。
「コー、背中になんかあたってる」
「だってエンジンフルスロットル中だし。落ち着け俺。新婚旅行まで我慢!」
久々にラスの可愛い笑い声を聞くことができてときめきながら、フィーバー中の魔王は本気で明日すべての仕事を終わらせる気満々でいた。