魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
いつも自信に溢れていて失敗など恐れないコハクが…震えている――
ラスがコハクのシャツのボタンに手をかけてゆっくり外し始めると、クラゲが淡い緑色の光で発光してほんのり明るくなった部屋の中、コハクから痛いほどに見つめられて、今度はラスの手が震えた。
「コー、見過ぎ。私だってこんなことするの恥ずかしいんだから」
「だって…チビが俺を襲ってるんだぞ?しっかり目に焼き付けとかねえと」
「私だけが裸なんてフェアじゃないでしょ?……やっぱり恥ずかしいから見ないで」
背中を向けたラスの金色の髪を持ち上げてうなじにキスをすると、ラスが短い息をついた。
自分しか男を知らないラスの身体を知り尽くしているコハクは、少しずつ冷静さを取り戻しつつも、高揚感が高まって唇で身体をなぞる。
…ずっと我慢していたのだから、本当にもう限界で――
「チビ…俺まだ頭の中真っ白だけど…思い出すから。だから必死になってる俺を笑わないでくれよな」
「うん、笑わないよ。思い出せないのならまた私が頑張るから…言ってね?」
「ふふっ、わかった。チビに恥かかすわけにはいかねえから…いっぱい鳴かせてやる!」
「泣いたりしないよ、なんで泣かなきゃいけないの?」
「意味がちがーう。まあいいや、とにかく鳴かせてやるからな」
組み敷いたラスの顔がきょとんとなっているのがおかしくて、ようやく緊張が解れたコハクは大きな手を這わせて久々にラスの身体をなぞった。
…やっぱり少し痩せていて、心配や不安をかけたのだと感じると、細すぎる腰を抱いて強く抱きしめる。
そうしながらも器用に服を脱いでいき、自分の裸を見るのが恥ずかしいのか目を逸らして群れを成して泳いでいるクラゲを見つめているラスの顎をとって顔を近付けた。
「ちゃんと見ろって。チビ……綺麗だ。こんな可愛くて美人な嫁さんを抱くのを我慢してた俺を誉めてくれよな。でももう…止めらんねえから。俺を止める奴も居ねえ。だから…」
「うん、いっぱいして。ずっとしてなかった分、沢山して。コー…大好き。私とルゥのこと忘れないでくれてありがとう」
「…チビ…」
――それからはもう、止まらなかった。
どうやってラスを愛していたのか少しずつ思い出して、無我夢中でラスに溺れて、ラスもコハクに溺れる。
部屋に響く甘い声に脳髄も身体も溶かされて、声が枯れるまで鳴かせて愛した。
汗が交じり合い、心も身体も重なり合う。
2人を止める者は、誰も居ない。
ラスがコハクのシャツのボタンに手をかけてゆっくり外し始めると、クラゲが淡い緑色の光で発光してほんのり明るくなった部屋の中、コハクから痛いほどに見つめられて、今度はラスの手が震えた。
「コー、見過ぎ。私だってこんなことするの恥ずかしいんだから」
「だって…チビが俺を襲ってるんだぞ?しっかり目に焼き付けとかねえと」
「私だけが裸なんてフェアじゃないでしょ?……やっぱり恥ずかしいから見ないで」
背中を向けたラスの金色の髪を持ち上げてうなじにキスをすると、ラスが短い息をついた。
自分しか男を知らないラスの身体を知り尽くしているコハクは、少しずつ冷静さを取り戻しつつも、高揚感が高まって唇で身体をなぞる。
…ずっと我慢していたのだから、本当にもう限界で――
「チビ…俺まだ頭の中真っ白だけど…思い出すから。だから必死になってる俺を笑わないでくれよな」
「うん、笑わないよ。思い出せないのならまた私が頑張るから…言ってね?」
「ふふっ、わかった。チビに恥かかすわけにはいかねえから…いっぱい鳴かせてやる!」
「泣いたりしないよ、なんで泣かなきゃいけないの?」
「意味がちがーう。まあいいや、とにかく鳴かせてやるからな」
組み敷いたラスの顔がきょとんとなっているのがおかしくて、ようやく緊張が解れたコハクは大きな手を這わせて久々にラスの身体をなぞった。
…やっぱり少し痩せていて、心配や不安をかけたのだと感じると、細すぎる腰を抱いて強く抱きしめる。
そうしながらも器用に服を脱いでいき、自分の裸を見るのが恥ずかしいのか目を逸らして群れを成して泳いでいるクラゲを見つめているラスの顎をとって顔を近付けた。
「ちゃんと見ろって。チビ……綺麗だ。こんな可愛くて美人な嫁さんを抱くのを我慢してた俺を誉めてくれよな。でももう…止めらんねえから。俺を止める奴も居ねえ。だから…」
「うん、いっぱいして。ずっとしてなかった分、沢山して。コー…大好き。私とルゥのこと忘れないでくれてありがとう」
「…チビ…」
――それからはもう、止まらなかった。
どうやってラスを愛していたのか少しずつ思い出して、無我夢中でラスに溺れて、ラスもコハクに溺れる。
部屋に響く甘い声に脳髄も身体も溶かされて、声が枯れるまで鳴かせて愛した。
汗が交じり合い、心も身体も重なり合う。
2人を止める者は、誰も居ない。