魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
魔法使いのくせに、何故こんなに鍛えられた身体をしているのか――
胸も腕も色白ではあるが硬くて男らしい。
ラスの魔法使いのイメージはひょろひょろしていてがりがりに痩せていて、陰気な性格をしているが…
2年前まではマントを着ていることが多かったのでかろうじて魔法使いに見えたが、最近はマントを着ることもなくすらりとした細い身体を晒している。
一緒に街に出かける度に女性たちから色目を使われてむっとしたこともあったけれど――
「なーにじっと見てんだよ。あ、わかったぞ、またし足りねえんだろ?俺も俺も!じゃあ早速…」
「違うってば!コーってかっこいいなって思ってただけ。ねえコー…離れてる間ね、とっても寂しかったの。もうこんなこと言うの今日で終わりにするから聞いて?」
「ん、聞く聞く。チビ、声が掠れてるぜ。あー、俺が沢山鳴かせたからー」
コハクは床に落ちていたパンツを穿いて起き上がると、戸棚からアルコール濃度の低いワインを取り出してグラスに注いだ。
その間ラスはベッドで横になったままシーツを身体に纏ってその様子を眺めていたのだが…
淡い緑色の光に満たされた部屋の中、まるで人魚のように見えた。
「ありがとう。わあ、美味しい。この船本当に素敵。今も船は南に進んでるんだよね?」
「ああ、すげえスピードで進んでる。明日にはかなり南に移動してるだろうし、途中港に寄って燃料や食料補給しなきゃな。バザーがあるだろうから、そこで何か買ってやるよ」
「ほんと?ありがとう、楽しみにしてるね」
コハクが口移しでワインを飲ませると、それを素直に飲んだラスはまた情熱的に絡まってくる舌から逃げてベッドを転がった。
久しぶりに抱かれて嬉しかったのと恥ずかしいのと…とにかく幸せだったが、ルゥのことが頭をよぎって起き上がると、身体にシーツを巻き付けただけの姿で部屋を出て行こうとしたので、魔王、大慌て。
「ちょ、どこ行くんだよ!あと1回…」
「ルゥにお乳あげないと。少しワイン飲んじゃったけど大丈夫かな…コーはここに居ていいよ、ルゥを連れてすぐ戻って来るから」
母親の顔を見せたラスにまた萌えた色ぼけ魔王は、やっぱりラスをひとりで行かせたのが嫌でワインを一気飲みすると部屋を出た。
階上の部屋にはラスがルゥを抱っこしてあやしてやっていたところで、コハクもそれに参加して代わる代わるルゥを抱っこすると、きゃっきゃと声を上げて笑った。
「こんな可愛い子供が生まれるんなら、ハネムーンベビーでも作るか!」
冗談ではなく、本気だった。
胸も腕も色白ではあるが硬くて男らしい。
ラスの魔法使いのイメージはひょろひょろしていてがりがりに痩せていて、陰気な性格をしているが…
2年前まではマントを着ていることが多かったのでかろうじて魔法使いに見えたが、最近はマントを着ることもなくすらりとした細い身体を晒している。
一緒に街に出かける度に女性たちから色目を使われてむっとしたこともあったけれど――
「なーにじっと見てんだよ。あ、わかったぞ、またし足りねえんだろ?俺も俺も!じゃあ早速…」
「違うってば!コーってかっこいいなって思ってただけ。ねえコー…離れてる間ね、とっても寂しかったの。もうこんなこと言うの今日で終わりにするから聞いて?」
「ん、聞く聞く。チビ、声が掠れてるぜ。あー、俺が沢山鳴かせたからー」
コハクは床に落ちていたパンツを穿いて起き上がると、戸棚からアルコール濃度の低いワインを取り出してグラスに注いだ。
その間ラスはベッドで横になったままシーツを身体に纏ってその様子を眺めていたのだが…
淡い緑色の光に満たされた部屋の中、まるで人魚のように見えた。
「ありがとう。わあ、美味しい。この船本当に素敵。今も船は南に進んでるんだよね?」
「ああ、すげえスピードで進んでる。明日にはかなり南に移動してるだろうし、途中港に寄って燃料や食料補給しなきゃな。バザーがあるだろうから、そこで何か買ってやるよ」
「ほんと?ありがとう、楽しみにしてるね」
コハクが口移しでワインを飲ませると、それを素直に飲んだラスはまた情熱的に絡まってくる舌から逃げてベッドを転がった。
久しぶりに抱かれて嬉しかったのと恥ずかしいのと…とにかく幸せだったが、ルゥのことが頭をよぎって起き上がると、身体にシーツを巻き付けただけの姿で部屋を出て行こうとしたので、魔王、大慌て。
「ちょ、どこ行くんだよ!あと1回…」
「ルゥにお乳あげないと。少しワイン飲んじゃったけど大丈夫かな…コーはここに居ていいよ、ルゥを連れてすぐ戻って来るから」
母親の顔を見せたラスにまた萌えた色ぼけ魔王は、やっぱりラスをひとりで行かせたのが嫌でワインを一気飲みすると部屋を出た。
階上の部屋にはラスがルゥを抱っこしてあやしてやっていたところで、コハクもそれに参加して代わる代わるルゥを抱っこすると、きゃっきゃと声を上げて笑った。
「こんな可愛い子供が生まれるんなら、ハネムーンベビーでも作るか!」
冗談ではなく、本気だった。