魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
シルフィードの協力のおかげでかなり南まで進んだ船は、メロウという港町に船をつけた。
改造済みの魔物たちはあまり出歩かせることはできないので、彼らに姿隠しの魔法をかけて港に降り立つと、やはり一斉に2人に視線が集まった。
「ルゥを置いて行って大丈夫かな」
「子守りを頼んだから大丈夫だって。それよかあいつらあんな姿だし町をうろつけねえから食材とか買い込まねえとな。チビ、食いたいもんがあったら言えよ」
「うん、わかった!」
いつもよりはしゃいでいるラスは終始きょろきょろしながらコハクの手を離そうとしたが、コハクは頑として手を離さずにラスに注意した。
「お前いっつもすぐどっかに行っちまうんだから、迷子防止!ほら、あっちが賑わってるから行ってみようぜ」
ラスと一緒にグリーンリバー以外の町を歩くことができて、実はラス以上にはしゃいでいるコハクは、バザーが開催されている広場に行くと、ラスが好きそうな食材を次々と購入してこっそりラスの影に放り込んいく。
ただ2人の圧倒的な存在感に見入られた人々がぞろぞろとついて来るのでそれが面倒だったが、ラスが注目されていることには大満足していた。
こんなに可愛いお嫁さんと一緒に町を歩けるのだから、思いきり見せびらかしたい。
「なんだか見るものが多すぎて困っちゃう。アクセサリーも可愛いのが沢山あるし…」
瞳を輝かせて繋いだ手を振り回してくるラスに頬を緩めたコハクは、ラスとはぐれないように抱っこすると、またあっという間に周囲の視線を釘付けにした。
女たちは一様にコハクに見惚れているし、男たちはラスの可憐さにうっとりして少しでも近づこうとにじり寄って来る。
コハクがひと睨みするとすごすごと離れていくが、先ほどからこのやりとりが延々と続いていた。
「なんか食うか?あっちにアイス売ってたけど」
「ううん、ルゥが心配だからもう戻ろ?コー、連れて来てくれてありがとう。早く南の島に着いてゆっくりしたいね」
「そうだな、貸切にすっからなんでもし放題だぜ。海で泳いだり、砂浜で追いかけっこしたり…それに…ふふふふふ」
「コー、顔が気持ち悪い。早く戻ろうよ。早く早くっ」
腕から降りたラスに手を引かれて小走りに駆けるラスを追いかけながら船に戻る。
両親の不在にぴいぴい泣いていたルゥはあっという間に泣き止み、ラスとコハクの腕の中で最高に可愛らしい笑顔を見せた。
改造済みの魔物たちはあまり出歩かせることはできないので、彼らに姿隠しの魔法をかけて港に降り立つと、やはり一斉に2人に視線が集まった。
「ルゥを置いて行って大丈夫かな」
「子守りを頼んだから大丈夫だって。それよかあいつらあんな姿だし町をうろつけねえから食材とか買い込まねえとな。チビ、食いたいもんがあったら言えよ」
「うん、わかった!」
いつもよりはしゃいでいるラスは終始きょろきょろしながらコハクの手を離そうとしたが、コハクは頑として手を離さずにラスに注意した。
「お前いっつもすぐどっかに行っちまうんだから、迷子防止!ほら、あっちが賑わってるから行ってみようぜ」
ラスと一緒にグリーンリバー以外の町を歩くことができて、実はラス以上にはしゃいでいるコハクは、バザーが開催されている広場に行くと、ラスが好きそうな食材を次々と購入してこっそりラスの影に放り込んいく。
ただ2人の圧倒的な存在感に見入られた人々がぞろぞろとついて来るのでそれが面倒だったが、ラスが注目されていることには大満足していた。
こんなに可愛いお嫁さんと一緒に町を歩けるのだから、思いきり見せびらかしたい。
「なんだか見るものが多すぎて困っちゃう。アクセサリーも可愛いのが沢山あるし…」
瞳を輝かせて繋いだ手を振り回してくるラスに頬を緩めたコハクは、ラスとはぐれないように抱っこすると、またあっという間に周囲の視線を釘付けにした。
女たちは一様にコハクに見惚れているし、男たちはラスの可憐さにうっとりして少しでも近づこうとにじり寄って来る。
コハクがひと睨みするとすごすごと離れていくが、先ほどからこのやりとりが延々と続いていた。
「なんか食うか?あっちにアイス売ってたけど」
「ううん、ルゥが心配だからもう戻ろ?コー、連れて来てくれてありがとう。早く南の島に着いてゆっくりしたいね」
「そうだな、貸切にすっからなんでもし放題だぜ。海で泳いだり、砂浜で追いかけっこしたり…それに…ふふふふふ」
「コー、顔が気持ち悪い。早く戻ろうよ。早く早くっ」
腕から降りたラスに手を引かれて小走りに駆けるラスを追いかけながら船に戻る。
両親の不在にぴいぴい泣いていたルゥはあっという間に泣き止み、ラスとコハクの腕の中で最高に可愛らしい笑顔を見せた。