魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
3人の子供たちのうち、誰かが泣けば誰かが傍に行って慰める――
小さいなりにもすでに何かしらの絆が芽生えているのか、3人は必ず一か所に固まって一緒にうにうにしていた。
特に際立っていたのがルゥのお兄ちゃんっぷりで、グラースの子かラスのふたり目の子が泣くと、額をよしよしと撫でて慰める。
するとあっという間に泣き止んでしまうので、一切の子守りは不要となってしまっていた。
「ルゥちゃんったらすごいの。今日もすぐ泣き止ませちゃったんだよ」
「こいつすげえな、もしかして魔法でも使ってんのかな」
ルゥの話題をしていると、それに気付いたのか顔を上げたルゥが抱っこしてとねだって両手を挙げる。
まだまだ赤ちゃんといってもいい大きさのルゥもお兄ちゃんになったとはいえまだまだ甘えたい年頃だ。
ルゥにかなり助けられているラスは、ルゥを膝に乗せてソファに座ると抱き着いてきたルゥの背中を撫でた。
「ルゥちゃんのおかげで夜泣きもしないんだよ。私本当に赤ちゃん産んだのかな」
「痛い思いして産んだじゃねえかよ。ま、子育てに関してはほんっと助けられてるよな。この調子だと3人目もきっとルゥが助けてくれるはず。ふふふふふ」
「次は女の子がいいよね。コーに似た女の子も可愛いと思うけど」
「駄目!女の子は絶対チビ似じゃないといやだ!いやだいやだいやだ!」
駄々っ子のようにベッドに寝転んで手足をばたばたさせているコハクの真似をしたルゥが膝から降りてソファで手足をばたつかせる。
――平穏な日々のようで、そうでないような日々。
憧れていた勇者様を見つけて結婚することができて、子供にも恵まれた――
王女だった日々とは大違いの日々。
バルコニーに出たラスは、燦然と輝く太陽の光を浴びて両指を組み合わせると、神に祈りを捧げた。
「神様、3人目は女の子を授けて下さい」
小さいなりにもすでに何かしらの絆が芽生えているのか、3人は必ず一か所に固まって一緒にうにうにしていた。
特に際立っていたのがルゥのお兄ちゃんっぷりで、グラースの子かラスのふたり目の子が泣くと、額をよしよしと撫でて慰める。
するとあっという間に泣き止んでしまうので、一切の子守りは不要となってしまっていた。
「ルゥちゃんったらすごいの。今日もすぐ泣き止ませちゃったんだよ」
「こいつすげえな、もしかして魔法でも使ってんのかな」
ルゥの話題をしていると、それに気付いたのか顔を上げたルゥが抱っこしてとねだって両手を挙げる。
まだまだ赤ちゃんといってもいい大きさのルゥもお兄ちゃんになったとはいえまだまだ甘えたい年頃だ。
ルゥにかなり助けられているラスは、ルゥを膝に乗せてソファに座ると抱き着いてきたルゥの背中を撫でた。
「ルゥちゃんのおかげで夜泣きもしないんだよ。私本当に赤ちゃん産んだのかな」
「痛い思いして産んだじゃねえかよ。ま、子育てに関してはほんっと助けられてるよな。この調子だと3人目もきっとルゥが助けてくれるはず。ふふふふふ」
「次は女の子がいいよね。コーに似た女の子も可愛いと思うけど」
「駄目!女の子は絶対チビ似じゃないといやだ!いやだいやだいやだ!」
駄々っ子のようにベッドに寝転んで手足をばたばたさせているコハクの真似をしたルゥが膝から降りてソファで手足をばたつかせる。
――平穏な日々のようで、そうでないような日々。
憧れていた勇者様を見つけて結婚することができて、子供にも恵まれた――
王女だった日々とは大違いの日々。
バルコニーに出たラスは、燦然と輝く太陽の光を浴びて両指を組み合わせると、神に祈りを捧げた。
「神様、3人目は女の子を授けて下さい」