魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
「エンジェル!パパが戦ってたの見てたか?すっごくかっこよかっただろ?」
「うん!パーパもお兄ちゃんたちもかっこよかったよー」
…本当は一切見ていないのだが、エンジェルがそう嘘をつくと真に受けた男たちはでれでれしてエンジェルに触りまくった。
「おいデス、チビとエンジェルをちゃんと守り切っただろうな」
「………うん…」
「よーし。ほらエンジェル、パパが抱っこしてやるぞー!」
未だにコハクの抱っこ率はエンジェルよりもラスの方が高かったが、可愛すぎる愛娘は今コハクにとって一番の宝物だ。
高い高いをして歓声を上げるエンジェルに触りたくて仕方のないルゥとリィがもじもじしていると、ラスはふたりの肩を抱いてそれぞれの頬にちゅっとキスをした。
「とってもかっこよかったよチビ勇者くんたち」
「ほんとっ?ママ、ちゃんと見てくれてたっ?」
「うんうん、見てたよ。もう立派な勇者様だね」
――満面の笑み。
大好きな母親に誉めちぎられて有頂天になったコハクそっくりの兄弟は、ぼんやりしているシエルに駆け寄ってもみくちゃになって暴れはじめた。
「ほらみんな馬車に乗れー。もうちょっと行った所でテント張るからなー」
ラスとエンジェルが居るのでさすがに雑魚寝はさせたくない。
キャンプセットをラスの影にこっそり入れていたコハクは、子供たちを中に入れると最後に乗り込もうとしていたグラースににやつかれて唇を尖らせた。
「なんだよ」
「父親らしくなってさらに気持ちが悪くなったぞ」
「うっせえな、3人も居るんだからそりゃ少しくらいは父親らしくなんだろ。ま、まだまだ増える予定だけどな。6年経ったしそろそろ4人目を…」
色ぼけなのは相変わらずだったが、女の子が生まれたらしばらくは子作りはやめようとラスに約束していた。
エンジェルがいつかお嫁に行ったら4人目を、と――
「こらーエンジェル!デスにひっつきすぎ!」
「やっ」
引き離そうとするとエンジェルに抵抗されてわなわなしたコハクは、ラスに諌められて何とかかんとかいらいらしつつも耐えてデスを睨み続けた。
「うん!パーパもお兄ちゃんたちもかっこよかったよー」
…本当は一切見ていないのだが、エンジェルがそう嘘をつくと真に受けた男たちはでれでれしてエンジェルに触りまくった。
「おいデス、チビとエンジェルをちゃんと守り切っただろうな」
「………うん…」
「よーし。ほらエンジェル、パパが抱っこしてやるぞー!」
未だにコハクの抱っこ率はエンジェルよりもラスの方が高かったが、可愛すぎる愛娘は今コハクにとって一番の宝物だ。
高い高いをして歓声を上げるエンジェルに触りたくて仕方のないルゥとリィがもじもじしていると、ラスはふたりの肩を抱いてそれぞれの頬にちゅっとキスをした。
「とってもかっこよかったよチビ勇者くんたち」
「ほんとっ?ママ、ちゃんと見てくれてたっ?」
「うんうん、見てたよ。もう立派な勇者様だね」
――満面の笑み。
大好きな母親に誉めちぎられて有頂天になったコハクそっくりの兄弟は、ぼんやりしているシエルに駆け寄ってもみくちゃになって暴れはじめた。
「ほらみんな馬車に乗れー。もうちょっと行った所でテント張るからなー」
ラスとエンジェルが居るのでさすがに雑魚寝はさせたくない。
キャンプセットをラスの影にこっそり入れていたコハクは、子供たちを中に入れると最後に乗り込もうとしていたグラースににやつかれて唇を尖らせた。
「なんだよ」
「父親らしくなってさらに気持ちが悪くなったぞ」
「うっせえな、3人も居るんだからそりゃ少しくらいは父親らしくなんだろ。ま、まだまだ増える予定だけどな。6年経ったしそろそろ4人目を…」
色ぼけなのは相変わらずだったが、女の子が生まれたらしばらくは子作りはやめようとラスに約束していた。
エンジェルがいつかお嫁に行ったら4人目を、と――
「こらーエンジェル!デスにひっつきすぎ!」
「やっ」
引き離そうとするとエンジェルに抵抗されてわなわなしたコハクは、ラスに諌められて何とかかんとかいらいらしつつも耐えてデスを睨み続けた。