魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
次の目的地は北――
数日間はこの南の島に滞在しようとラスと決めていたので、その間に無人島を探検したり海を泳いだり…とにかく毎日目一杯楽しんで過ごした。
島の管理人が毎日食材を運び入れてくれるのだが、コハクは時々海に潜って貝や魚を獲り、ラスに料理の腕前を奮う。
食の細いラスのために料理の見た目も工夫して、毎日完食してもらって魔王、大満足。
「コー、一緒に地図を見ようよ。北っていうとどの辺?クリスタルパレスやコーのお城も北だけど」
「じゃあ北西に行くか。地図にも載ってねえ小さい村が沢山あるようなとこ。大きい街とかはいつでも行けるし、自給自足で生活してる村とかチビ好きだろ?」
「うん!羊さんや豚さんや鶏さんと一緒に暮らしてるようなとこに行きたい!」
テーブルに大きな地図を広げて覗き込んでいるラスの肌は、少しだけ日焼けして健康的になった。
真っ白なラスも大好きだが、日焼けしたラスは見慣れないし珍しくて、隣にすり寄ると細い腕にキスをして色気むんむんで身を乗り出した。
「なあチビ、そろそろ寝…」
「コーと私とルゥのお揃いのコートも買ったの。寒い所にもきっと連れて行ってくれるだろうなって思ってたから買っておいて良かった。どの位寒いのかな、ルゥちゃんが風邪引かないようにしなきゃ。あとお父様たちのとこにも寄るから何かお土産も持って行かなきゃ」
「チビ!俺の話聞いて!」
「コー、鼻息がうるさい。近付きすぎだよちょっと離れて。ビーチで綺麗な貝殻を拾って便箋に張り付けて、今度生まれてくる赤ちゃんにメッセージを書こうかな。どう思う?」
はぐらかされているのか天然なのか――
唇を尖らせてふてくされたコハクは、その場でころんと寝転がってラスに膝枕をしてもらうと、柔らかい太股にすりすり頬を寄せてつっけんどんに返した。
「いいんじゃね。俺はチビと話がしたいのになー。話以外のこともしたいのになー。これって新婚旅行だろ?もっと俺を構ってもらいたいなー」
完全に拗ねてしまったコハクの口調に噴き出したラスは、地図を閉じてコハクの真っ黒でさらさらな髪を三つ編みして遊び、コハクははいはいをして近付いてくるルゥを抱っこしてお腹の上に乗せた。
「ちゃんと構ってあげるから。で、お話以外のこともしたいって…どういう意味?」
「後でたっぷりわからせてやるって。ふふふふ…」
不気味な笑い声を漏らしたコハクの額をぺちっと叩いて笑ったラスは、まだ空っぽであろう自身のお腹を撫でて、受胎を願う。
数日間はこの南の島に滞在しようとラスと決めていたので、その間に無人島を探検したり海を泳いだり…とにかく毎日目一杯楽しんで過ごした。
島の管理人が毎日食材を運び入れてくれるのだが、コハクは時々海に潜って貝や魚を獲り、ラスに料理の腕前を奮う。
食の細いラスのために料理の見た目も工夫して、毎日完食してもらって魔王、大満足。
「コー、一緒に地図を見ようよ。北っていうとどの辺?クリスタルパレスやコーのお城も北だけど」
「じゃあ北西に行くか。地図にも載ってねえ小さい村が沢山あるようなとこ。大きい街とかはいつでも行けるし、自給自足で生活してる村とかチビ好きだろ?」
「うん!羊さんや豚さんや鶏さんと一緒に暮らしてるようなとこに行きたい!」
テーブルに大きな地図を広げて覗き込んでいるラスの肌は、少しだけ日焼けして健康的になった。
真っ白なラスも大好きだが、日焼けしたラスは見慣れないし珍しくて、隣にすり寄ると細い腕にキスをして色気むんむんで身を乗り出した。
「なあチビ、そろそろ寝…」
「コーと私とルゥのお揃いのコートも買ったの。寒い所にもきっと連れて行ってくれるだろうなって思ってたから買っておいて良かった。どの位寒いのかな、ルゥちゃんが風邪引かないようにしなきゃ。あとお父様たちのとこにも寄るから何かお土産も持って行かなきゃ」
「チビ!俺の話聞いて!」
「コー、鼻息がうるさい。近付きすぎだよちょっと離れて。ビーチで綺麗な貝殻を拾って便箋に張り付けて、今度生まれてくる赤ちゃんにメッセージを書こうかな。どう思う?」
はぐらかされているのか天然なのか――
唇を尖らせてふてくされたコハクは、その場でころんと寝転がってラスに膝枕をしてもらうと、柔らかい太股にすりすり頬を寄せてつっけんどんに返した。
「いいんじゃね。俺はチビと話がしたいのになー。話以外のこともしたいのになー。これって新婚旅行だろ?もっと俺を構ってもらいたいなー」
完全に拗ねてしまったコハクの口調に噴き出したラスは、地図を閉じてコハクの真っ黒でさらさらな髪を三つ編みして遊び、コハクははいはいをして近付いてくるルゥを抱っこしてお腹の上に乗せた。
「ちゃんと構ってあげるから。で、お話以外のこともしたいって…どういう意味?」
「後でたっぷりわからせてやるって。ふふふふ…」
不気味な笑い声を漏らしたコハクの額をぺちっと叩いて笑ったラスは、まだ空っぽであろう自身のお腹を撫でて、受胎を願う。