魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
精霊界の住人のドラちゃんは、何よりも気配に敏感だ。
最近はずっと召喚されっぱなしで、それでもへっちゃらな精神力を持つコハクを最近は少しだけ認めていたのだが――
デスと共にコハクが屋上に現れると、ドラちゃんは地響きを立てながら方向転換をして金色の細い瞳でコハクを睨んだ。
『ベイビィちゃんはどうした?』
「ルゥと一緒に部屋に居る。それよかどうだ。何者かはわかったか」
『…魔界の者に違いない。姿は一切見せないが、相当に腕の立つ奴だ。お前がここに戻って来てなおいっそうこの辺りをうろつくようになったぞ。へっぽこ結界など無用の長物だな』
ドラちゃんの言い様にコハクはむっとなったが…これでもかなりレベルの高い結界を張っているし、グリーンリバーを包み込んでいる聖石グリーンストーンの力も借りているので、魔物はここへは近づけないはずだ。
だが…今も含み笑いが聞こえてきそうなほどの強い気配を感じているし、空はどこか淀んでいるように見えた。
「…おい、何者だ?俺に用があるなら出て来い。いくらでも相手をしてやる」
最も気配の強い空に向かって声を張り上げ、デスとドラちゃんが空を見上げて見守っていると…気配はゆっくりと掻き消えて空に溶けていった。
「なんなんだよ、くそっ!…1回あっちに行く必要があるか?」
「……行かない方が…いい…。……相手は…それ…待ってる……かも…」
「あーっ、いらいらする!新婚旅行楽しかったのに戻って来た途端いらいらする!」
むしゃくしゃしてドラちゃんのとげとげの尻尾を踏みまくり、あたたかい春風に黒髪をなぶられながら赤い瞳を厳しく細めた。
「お前ら、チビとルゥに何かあったら必ず守れよ。それくらいはできるだろ」
「………わかってる…」
『お前に言われずともベイビィちゃんはいずれ俺の卵を産むのだから必ず守るとも』
「ふざけんなエロドラゴン!…近いうち絶対行動に出てくる。俺ひとりでもやれるけど、今回はお前らの力も借りる。完膚なきまでに叩きのめしてやる」
殺意がコハクの全身を包み込み、ドラちゃんもデスもぞくぞくしながら頷いた。
…あの可愛くて見ているとふわふわした気分になる笑顔を持つラスを失うわけにはいかない。
巻き添えを食わないように守ることこそが今最も大切なことだ。
…何から守るのか、まだわからなかったけれど。
最近はずっと召喚されっぱなしで、それでもへっちゃらな精神力を持つコハクを最近は少しだけ認めていたのだが――
デスと共にコハクが屋上に現れると、ドラちゃんは地響きを立てながら方向転換をして金色の細い瞳でコハクを睨んだ。
『ベイビィちゃんはどうした?』
「ルゥと一緒に部屋に居る。それよかどうだ。何者かはわかったか」
『…魔界の者に違いない。姿は一切見せないが、相当に腕の立つ奴だ。お前がここに戻って来てなおいっそうこの辺りをうろつくようになったぞ。へっぽこ結界など無用の長物だな』
ドラちゃんの言い様にコハクはむっとなったが…これでもかなりレベルの高い結界を張っているし、グリーンリバーを包み込んでいる聖石グリーンストーンの力も借りているので、魔物はここへは近づけないはずだ。
だが…今も含み笑いが聞こえてきそうなほどの強い気配を感じているし、空はどこか淀んでいるように見えた。
「…おい、何者だ?俺に用があるなら出て来い。いくらでも相手をしてやる」
最も気配の強い空に向かって声を張り上げ、デスとドラちゃんが空を見上げて見守っていると…気配はゆっくりと掻き消えて空に溶けていった。
「なんなんだよ、くそっ!…1回あっちに行く必要があるか?」
「……行かない方が…いい…。……相手は…それ…待ってる……かも…」
「あーっ、いらいらする!新婚旅行楽しかったのに戻って来た途端いらいらする!」
むしゃくしゃしてドラちゃんのとげとげの尻尾を踏みまくり、あたたかい春風に黒髪をなぶられながら赤い瞳を厳しく細めた。
「お前ら、チビとルゥに何かあったら必ず守れよ。それくらいはできるだろ」
「………わかってる…」
『お前に言われずともベイビィちゃんはいずれ俺の卵を産むのだから必ず守るとも』
「ふざけんなエロドラゴン!…近いうち絶対行動に出てくる。俺ひとりでもやれるけど、今回はお前らの力も借りる。完膚なきまでに叩きのめしてやる」
殺意がコハクの全身を包み込み、ドラちゃんもデスもぞくぞくしながら頷いた。
…あの可愛くて見ているとふわふわした気分になる笑顔を持つラスを失うわけにはいかない。
巻き添えを食わないように守ることこそが今最も大切なことだ。
…何から守るのか、まだわからなかったけれど。