魔王と王女の物語③-Boy meets girl-【完】
ラスがきゃっきゃと声を上げてラスをからかう妖精たちと追いかけっこをしている間にグラースは階下へ降りて行き、コハクはごろ寝をしているドラちゃんの隣に腰かけて頭を小突いた。
『何をする。触るな』
「なんで変身してんだよ。お前…ふうん…まあ俺ほどじゃねえけどイケメンじゃねえかよ」
『俺はドラゴン族の雌にもモテた。だが俺を満足させることのできる雌は未だに現れていない。ベイビィちゃんなら絶対満足できる』
「ふざけんなこの色ぼけが!」
『お前に言われたくない』
睨み合った2人は、その後取っ組み合いの喧嘩を開始。
慌てたラスが駆け寄って2人の間に割って入ると、2人の顔にはひっかき傷や殴られた痕ができていた。
「もお!なんで喧嘩したのっ?ドラちゃん大丈夫?コーも大丈夫?ぺろぺろしてあげようか?」
『してくれ。今すぐしてくれ』
「お前!屋上から突き落とすぞ!チビ、行くぞ。こいつの傍に居たら妊娠する!」
『お前に言われたくない』
同じセリフをわざと2度も言われてむかっときたが、ラスが悲しそうな顔をしたのでぐっと怒りを堪えたコハクは、ラスを抱っこしてタラップを飛び降りた。
「ねえコー、種ってなあに?グラースが種だけ欲しいって言ってたよ?」
「ま、マジでか!種だけってあいつ、なんて露骨な!ドラを食う気満々じゃねえかよ」
「え?グラースがドラちゃんを食べちゃうの?グラースが食べられちゃうんじゃなくて?」
「ち、チビ…お前意味わかってて言ってんのか?まあ…うん…いいんじゃね?あいつらがデキたらドラもお前に言い寄らねえだろ」
ドラちゃんに引っかかれた傷は特別痛くはなかったが、ドラちゃんの鋭い爪で縦に大きく引き裂かれた爪痕を心配したラスが頬をぺろぺろと舐めてくれたので、魔王、有頂天。
「アーシェのところに行くまでに傷の手当てをしようよ。ガーゼくらいは貼ってあげられると思うから」
後ろを歩いてついて来ているデスもコハクも警戒を怠らない。
和む会話をしながらも小さな物音も気配も逃さず、コハクはラスを抱きしめるようにして守っていた。
「あのね、アーシェが作ってるのがすごいの。誰がモデルだと思う?ねえ当ててみて当ててみて」
そのはしゃぎっぷりに答えは出ていたが、コハクは考え込むふりをしてラスを楽しませた。
『何をする。触るな』
「なんで変身してんだよ。お前…ふうん…まあ俺ほどじゃねえけどイケメンじゃねえかよ」
『俺はドラゴン族の雌にもモテた。だが俺を満足させることのできる雌は未だに現れていない。ベイビィちゃんなら絶対満足できる』
「ふざけんなこの色ぼけが!」
『お前に言われたくない』
睨み合った2人は、その後取っ組み合いの喧嘩を開始。
慌てたラスが駆け寄って2人の間に割って入ると、2人の顔にはひっかき傷や殴られた痕ができていた。
「もお!なんで喧嘩したのっ?ドラちゃん大丈夫?コーも大丈夫?ぺろぺろしてあげようか?」
『してくれ。今すぐしてくれ』
「お前!屋上から突き落とすぞ!チビ、行くぞ。こいつの傍に居たら妊娠する!」
『お前に言われたくない』
同じセリフをわざと2度も言われてむかっときたが、ラスが悲しそうな顔をしたのでぐっと怒りを堪えたコハクは、ラスを抱っこしてタラップを飛び降りた。
「ねえコー、種ってなあに?グラースが種だけ欲しいって言ってたよ?」
「ま、マジでか!種だけってあいつ、なんて露骨な!ドラを食う気満々じゃねえかよ」
「え?グラースがドラちゃんを食べちゃうの?グラースが食べられちゃうんじゃなくて?」
「ち、チビ…お前意味わかってて言ってんのか?まあ…うん…いいんじゃね?あいつらがデキたらドラもお前に言い寄らねえだろ」
ドラちゃんに引っかかれた傷は特別痛くはなかったが、ドラちゃんの鋭い爪で縦に大きく引き裂かれた爪痕を心配したラスが頬をぺろぺろと舐めてくれたので、魔王、有頂天。
「アーシェのところに行くまでに傷の手当てをしようよ。ガーゼくらいは貼ってあげられると思うから」
後ろを歩いてついて来ているデスもコハクも警戒を怠らない。
和む会話をしながらも小さな物音も気配も逃さず、コハクはラスを抱きしめるようにして守っていた。
「あのね、アーシェが作ってるのがすごいの。誰がモデルだと思う?ねえ当ててみて当ててみて」
そのはしゃぎっぷりに答えは出ていたが、コハクは考え込むふりをしてラスを楽しませた。