1日一万円のサンタクロース【完】
「何でだろうな」
突然話す一樹
「へ?」
「お前と居ると落ち着く」
少し声のトーンが低かったけど
すごく優しい言い方
「そんなんですぐ女を落とせると思うなよ!」
「マジで言ってんだけど?」
「冗談は通じん」
「俺さ客の前でスッゲー猫被ってさ」
「うん?」
「それが癖になっちまったのか今まで出会ってきた奴らみんなに猫被ってた」
「うん」
「女もすぐ寄ってきた」
「――――」
話を聞いているうちに変な気持ちになり
相槌をうたなくなった
「キスも普通にしたしそれ以上のことだって向こうが誘ってきたらしてた」
「―――――」
「本気で好きになったことなんて一度もない」
「―――――」
「傍に居たいとも、落ち着くとも」