1日一万円のサンタクロース【完】

「―――――」


「でも、なんでだろうな、お前と居ると―」


「すごく落ち着く」


この人は今までどんな人生を送ってきたのだろうか

人の前で猫被って

そのたんびに自分自身の感情を抑えて

「あたしも」


「ん?」


すごく辛かったのかもしれない


「一樹の隣は落ち着く」

その気持ちは分からなくもない

あたしだって人前では猫被って

感情を抑えてまで友達と居て

何が楽しいのか自分でもよく分からなかった

精神的にもストレスが溜まるくせに

友達と居るなんて

本当はあたし自身すごく辛かったのかもしれない

「ッフ、そうか」

あたしは多分誰かが傍に居てほしかっただけなのかもしれない

一人が嫌で、誰でもいいから傍に居てほしくて

でも、落ち着かなかった

精神的に壊れてしまうだけだった。

でも、一樹は

この人はあたしと似ているだからなのか

誰よりも居心地がいいと感じた


「うん」


「似てるから―だろうな」


「へ?」


「性格が」


「そうかもね」




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