1日一万円のサンタクロース【完】

「指切った?」


「き、切ってない」


一樹はスッと立ち上がり

キッチンの方へすばやく来た


「切ってんじゃん」


「う―」


「貸せ消毒するぞ」


「じ、自分でできる」


「いいから来い」


無理やり腕を引っ張られ

ソファに座らされた

「ドジ」


「いつもはこんなんじゃ」


「へーじゃぁ何で今日こんなことになったの?」


「そ、そういう時もあるわよ」


「そ?」


「うん」


「沁みるぞ」


いつ持ってきたのか分からないけど

手早く消毒をしはじめた

液が少し掛かってきた時

「いったぁぁぁい!!」

涙が出るほど痛かった


「我慢しろよ」


「無理っ!もぉ液かけないで!」


「はぁ、ガキ」

一言余計な言葉を言いつつもバンソウコウをつける


「ごめん、とありがと」
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