本気と浮気
「高校の頃からきみが好きだった。4年間ずっと、いまも忘れられないほど本気」
「でも、わたし」
「今日こうして会えるのが怖いくらいに楽しみだった」
「でも、わたしには彼が」

そのとき、テーブルの上にあったわたしの手を、彼がつかんでテーブルの下へと引っ張りおろす。
冷たくなっていたわたしの指先が、熱い彼の手の中でじんじんとしてくる。


言葉がでないわたしの耳朶を、吐息で愛でるようにささやいてくる彼。


「本気できみが好きなんだ」


名前も思いだせない彼なのに。
期待通りの甘美なスパイスを利かせた彼に、わたしはあっさり陥落した。



End
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