あの日に時間を戻せたら。
…二年前
もしも私がこの場所に間に合っていたら?
あれから何度となく訪れたこの場所。
あの日に時間が戻せるのなら?
何度も何度もそう思った…。
「美咲?」
懐かしい声に振り返ると、そこにはあの頃と変わらない優しい隼人の笑顔。
「隼人…?」
彼への想いが一気に溢れだし、身体が震えだす。
「美咲…?このままかっさらってもいいか?」
隼人は私の頬に伝う涙をそっとぬぐってくれた。
痛いくらいにギュッと抱きしめられ、やっと震えが止まった。
…もう離れたくない。
このままあの日に時間を戻して……。
*fin*