臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「はい、ありがとうございます。あの、うちの課にも連絡を入れてくださって、ありがとうございます!」


麻由子は深々と頭を下げた。


「クスッ。頭を上げてよ。怪我が大したことがなくて良かった。わざわざ来てくれてありがとう」


航平は自分の腰くらいにある麻由子の頭をポンッと軽く叩いた。ゆっくり頭を上げた麻由子は優しい目をした航平を目が合う。


ドキン!


その時、麻由子は恋に落ちたのだ。

最初のうちは航平を見かけるたびに尊敬の眼差しで見ていたが、いつのまにか心ときめく眼差しに変わっていった。


「速水さんが好き」


そう自覚するまでの時間は掛からなかった。




麻由子が航平を好きになってから、1年半が経った。

1年半は結構長いものである。

その間、ずっと航平を思う麻由子は何をしていたのだろう…。
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