臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
部屋に戻って、ソファーに座る麻由子は「ふ~」とため息を付く。喜ぶ気持ちは一瞬で消えた。現実に戻された感じである。


今日は疲れたな…。病み上がりの体にいつもより量の多い仕事、その後の飲み会は正直きつかった。


帰りには航平の姉妹に会い、緊張もした。今日は航平と関わることが多かったから、緊張の連続だった。


ふと不機嫌な顔になった航平を思い出す。


「迷惑だったかな…」


伸ばした足のつま先を見て、呟く。

麻由子の気持ちに航平はきっと気付いたはず。


そのことを迷惑に感じて、速水姉妹に勘違いされることが嫌で…不機嫌になったのではないかと思った。


私の気持ち…存在が迷惑なら…もう近付かないほうがいい?

挨拶もしないほうがいいかもしれない。
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