臆病な恋心～オフィスで甘く守られて～

「麻由子ちゃんは、元気？」

「はい、元気ですよ。何か？」

「そうか。いや、元気ならいいんだ」


何となく安心した。


千尋は何だったのだろう？と首を傾げて、廊下を歩いて行く。


今週はまだ一度も姿を見ていないから、もしかして風邪をぶり返したのではないかと心配していた。


元気ならいいと言ったけど、元気な顔が見たいなと思った。


昼休み、社員食堂にいるであろうと思う麻由子の姿をキョロキョロと探した。

しかし、クレーム処理が長引いてしまって、食堂に来たのが１時近くになっていた。航平が食堂に来た時には片付ける人が多く、食べている人はまばらだった。

その中に麻由子の姿を見つけることは出来なかった。


麻由子と千尋は５分前に食べ終わって、出ていってしまっていた。