臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
いつの間にか、吹っ切れたかな…。叶わない恋をようやく諦めることが出来たのだと思った。

新しい恋に出逢えるだろうか?

何となくタクシーを降りた後で深々と頭を下げた後の麻由子の笑顔を思い浮かべ、1人で怪しく笑う。


(もしかして、俺は麻由子ちゃんを?)

自分の気持ちが麻由子に向いていることにも気付き始める。


その頃、総務課では…

「そういえば、麻由子」

「何?」

「午前中に速水さんに麻由子が元気かと聞かれたんだけど、速水さんと会ってないの?朝の挨拶してないの?」


千尋は航平がわざわざ聞いてきたのが不思議に思い、確認のため聞いてみる。


「うん、会ってないよ。でも、元気そうな姿は見たよ」

「ちょっと、もしかして前のように見ているだけでいいとか言うんじゃないでしょうね」

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