臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
話し掛けたい
再決心をした一週間の始まりの朝。
冷たい風が顔に当たる。
麻由子は黒と白のチェックのマフラーを風がすき間に入らないよう、少しきつめに巻き、気合いを入れる。
数メートル先を歩く航平に狙いをさだめて、追い付くようにと歩く速度を上げる。
航平との距離は僅かに縮まった。
小さく深呼吸。勇気を出す。すぐすこに狙う物がある。
「速水さん、おはようございます」
航平の隣りに並び、挨拶をする。声が震えそうになったから、巻いたマフラーを右手でギュッと握る。
「おはよう、今日も風が冷たいね」
航平は首をすぼめる。
「はい。あたし、昨日こたつを出しました」
麻由子は挨拶するだけでなく、自分から話をしようと決めていた。まず話題は冬の必需品であるこたつ。
冷たい風が顔に当たる。
麻由子は黒と白のチェックのマフラーを風がすき間に入らないよう、少しきつめに巻き、気合いを入れる。
数メートル先を歩く航平に狙いをさだめて、追い付くようにと歩く速度を上げる。
航平との距離は僅かに縮まった。
小さく深呼吸。勇気を出す。すぐすこに狙う物がある。
「速水さん、おはようございます」
航平の隣りに並び、挨拶をする。声が震えそうになったから、巻いたマフラーを右手でギュッと握る。
「おはよう、今日も風が冷たいね」
航平は首をすぼめる。
「はい。あたし、昨日こたつを出しました」
麻由子は挨拶するだけでなく、自分から話をしようと決めていた。まず話題は冬の必需品であるこたつ。