臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「え、禁止?」

「そうそう、禁止だよ。もしまた謝ったら、お仕置きするからね」


航平はニヤリと楽しそうに笑う。


(お仕置きって…何?何をされてしまうの?)


不安そうな顔する麻由子を見て、航平はまた楽しそうに笑った。

とにかく謝らないように気をつけようと麻由子は心に誓う。


「さて、どこ行こうか?」


麻由子は、佐久間から逃れられたので、航平ともすぐに別れて帰るものだと思っていた。佐久間から逃れるために協力をしてもらっただけだから。


「あの、どこって?」

「だって、デートでしょう?」


そう言われても、これは麻由子がついた嘘で待ち合わせて、それに付き合ってもらっただけで、本当のデートではない。

航平とのデートは何度も夢見ていたことだが。
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