臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
麻由子はすぐそばにあった不思議なマグカップに手を伸ばす。

お湯を入れるとイラストが変わる?


「へえー、変わってるね。おもしろいな」


航平が隣りで違うイラストのマグカップを持った。

これに大好きなココアを入れて飲んだら、さらに美味しいかも。


マグカップから出ると湯気とココアの甘い香りを想像した麻由子は「これ買ってきますね」とマグカップとブランケットを持ってレジに向かった。こういう時の決断は意外に早い。

航平は他のデザインのマグカップを手にいくつか取って、考えていた。


「ありがとうございました」


ちょうど会計の終わった麻由子の横に航平は立ち、「ラッピングしてください」と選んだマグカップを出した。


「もうすぐ妹の誕生日なんだ。忘れていたけど、ちょうどいいのがあって良かったよ」
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