臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
妹の美久の誕生日を今思い出したと笑う。家族思いの優しい航平を麻由子は前よりもっと好きになった。

隣りに並んで歩いて、優しく笑う航平を見るたびに胸がキュンと締めつけられる

好きという思いがさらに膨らんで、溢れる寸前になっていた。


好き。


好きです。


大好きです。


伝えたいこの気持ち。どうやったら、伝わる?どうやって、伝えたらいい?


歩きながら、考える。


「麻由子ちゃん、何考えてるの?」


航平が立ち止まって、麻由子の顔を覗き込む。突然近付いてきた顔に麻由子はビクッと後ろに下がった。


「あはは!ここに皺寄ってるし」


航平は麻由子の眉間を指差した。


「え?あ、すいません」


焦って、つい禁止されていたワードが出てしまった。

麻由子はしまったと口を押さえるが遅い。航平の耳にはしっかり届いている。
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