臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「もう!今からでも遅くないから早く誘いなさいよ。襲うより出来ることでしょ?」


千尋が言うことには無茶がある。


「だって、難しい」


麻由子は頭を抱えた。


「藤野さん」

「はい」


その時、課長に呼ばれる。千尋は課長のもとに行く麻由子に溜め息をついて、自分のデスクに戻った。


「これ、備品依頼書と在庫表のチェック終わって、承認印も押したから、よろしく」

「はい。ありがとうございます」

「いつ行く?」

「今入力しているのがあるので、終わってから行きます。多分午後からになりますけど、遅いでしょうか?」


課長の承認印が押された後は、依頼書通りの備品を各部署に配らなければならない。量が多い時は課長が自ら手伝うこともあるので、麻由子の予定を聞いてきたのだった。
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