臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「はじめまして。お邪魔します」

「いらっしゃい。航平の母の佐知子です。よろしくね」


にっこりと微笑む佐知子は目元が航平に似ていて、優しい印象を受けた。


「藤野麻由子と申します。よろしくお願いします。本日はありがとうございます」


麻由子は深々と頭を下げた。


「あらあら、丁寧ね。もっと気楽にしていいのよ。楽しんでね」

「そうそう、麻由子ちゃん、硬くならなくていいからこっちにおいで」

「あ、はい」


航平が手招きして、呼ぶ。麻由子は航平が座る隣りの椅子に座った。

大きなテーブルの上にはチキン、ピザ、サラダ、ポテトなどのクリスマスパーティーらしい料理がたくさん並んでいた。


ニャーン


「え?」


テーブルの下から聞こえた猫の声に麻由子は体を屈めた。
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