臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
薄茶色でふわふわした毛の猫が航平の足にすり寄っていた。


「わあ、かわいい!猫、飼っているんですね!」

「うん、そう。麻由子ちゃん、猫が好きだって言ってたよね」

「はい、好きです。この子、ペルシャですよね?かわいいー」


航平は猫を膝の上に抱き上げて、喉の辺りを撫でる。猫は気持ち良さそうに航平のお腹に頭をつけた。


「ほら、触ってもいいよ。こいつ、人懐っこいから大丈夫だよ」


航平の方に向いているから、麻由子の方には背中が向かれていた。頭から首を辺りを撫でる。ふわふわした柔らかい毛が暖かい。


「うわー、ふわふわ。かわいいですね!名前は何ですか?」


目をキラキラと輝かせて、航平に猫の名を聞く。


「タマって、いうんだ」

「タマですか?わー、かわいい!」
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