臆病な恋心～オフィスで甘く守られて～

「俺と笹木、どっちを選ぶ？」と聞いた。雪菜の答えは「笹木くん」だった。

それでも「付き合って」と引き下がらなかった。本気で好きだったから、諦めないで頑張った。でも、「ごめんなさい」とキッパリ振られた。

雪菜が自分のことを何とも思っていないのは前々から感じていた。しかし、可能性はゼロではないと信じて、告白したのだ。


振られたなら、諦めるしかないと思ったが、好きな想いは簡単に消えない。振られたって、変わらないのだ。好きなものは好き。

今までと変わらず話して、今までと変わらない笑顔を見たいと思っていた。例え、それが叶うことのない恋だとしても。


振られたっていい。そう思う航平は前に進めない自分を分かっていながらも…想い続けることにした。それがどんなに想ったって、実ることのない想いだとしても。

そんな片想いは切ないだけだが。


「ただいま戻りましたー」