臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「入れて」

「え?」

「ずっとここにいたら寒いから、部屋に入れてくれない?」


航平の予期せぬ申し出に麻由子は目を丸くした。でも、外にいては寒い。風邪を引かれては困る。


「あ…、はい。どうぞ」


ドアを開けて、スリッパを出した。それを履いて、航平は部屋の中へと先に進む。


「あー、本当にこたつがあるんだね」


履いたばかりのスリッパをサッサと脱いで、こたつに足を入れる。


「冷たい…。そうだ!スイッチ…スイッチ…はどこかな。あった、あった!」

了解を得ないで、こたつを暖め始めた。


「お、暖かくなってきた!あれ?麻由子ちゃん、入らないの?暖かくなったよ。おいでー」


麻由子は航平の動きを呆然と見ていた。


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