臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
麻由子も座るが、足を伸ばさないで正座する。 


「クスッ。何で正座してるの?ほら、足もちゃんと入らないと暖まらないよ?」


航平に促されて、そっと足を伸ばして入れる。自分の家のこたつだというのに、遠慮がちである。


「あ…」


麻由子の足が航平の足にぶつかる。

一人用のこたつだから、狭いのでぶつかってしまうのは仕方がない。誰かと入ることなんて考えて購入していなかったことを少し悔やんだ。

もう少し大きかったら、ぶつかることもなく緊張することもなかったかもしれない。


「ね!暖かいね」


麻由子の緊張心を分かってない航平は両手もこたつに入れて、顎をテーブルの上に置いて、寛いでいる。


「はい、暖かいです」


返事をすることも精一杯になっていた麻由子も両手をこたつに入れる。

冷えていた手足が暖かくなってくる。その暖かさは緊張を解してくれるようだった。
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