臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「さてと…」

「はい?」


航平は顎をテーブルの上に置いたまま、上目遣いで麻由子を見る。

その目を見た麻由子の心臓はドキン!と跳ねた。酔っているせいなのか、目が少し潤んでいた。それに妙な色気がある。

真っ直ぐ見ることが出来なくて、テーブルに視線を移す。


「麻由子ちゃん、こっちを向いて」

「はい…」


呼ばれて、航平を見る。酔ってはいるようだが、真剣な眼差しだ。


「そろそろ聞かせてくれない?ずっと待っているんだけど」

「え?何をですか?」


何をずっと待っているというのだろうか?

何を話せばいいのだろうか?

麻由子は首をひねる。


「麻由子ちゃんの気持ち、聞きたいんだけど」


航平は何となく自分を想ってくれている麻由子の気持ちに気付いていた。そして、その気持ちに聞いたら、ちゃんと答えようと決めていた。

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