臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
麻由子を後ろから覆うように抱き締めて、耳元で囁く。


「俺も好きだよ」

「え?…嘘?」


愛の囁きが信じられなくて、後ろを振り返る。

大好きな顔がすぐそこにあった。

至近距離にびっくりした麻由子は「す、すいません。振り向いてしまって」と謝って、顔を前に戻して俯く。


(ビックリした!)


その時、麻由子の口から咄嗟に出た二人の間の禁止ワードを航平は聞き逃さなかった。


「それ、禁止していたよね」

「え?ああ!」


指摘されて自分が言ってしまったことに気付いた麻由子は、手で口を押さえる。そして、再びゆっくりと振り向く。

航平はニヤリと笑い、その手をどける。


「お仕置きだね。覚悟してよ」

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