臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
航平は耳まで真っ赤にする麻由子がかわいくて、食べてしまいたい衝動にかられる。


「ねえ、今夜泊まってもいい?」

「え?ここにですか?」

「うん。だめかな?」

「いえ、いいですけど」


まさか本当に泊まることになるなんて…。まだ一緒にいられる。ドキドキはするけど、心が弾む。


「じゃあ、お布団出しますね」


麻由子は押し入れを開けて、布団に手を掛ける。


「麻由子ちゃん、ちょっと待って」

「はい?」


出そうとした手を止め、キョトンと航平を見る。お布団よりも先にお風呂の準備をしたほうが良かったかな?

見当違いのことを思う。


「その布団に誰が寝るの?」

「速水さんですけど。あ、速水さんはベッドで寝ます?私が布団にしましょうか?」
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