臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
麻由子は再び、布団に出そうと少し持ち上げる。


「待て!違う」


航平は慌てて、麻由子が持つ布団を奪って、押し入れに戻す。

麻由子はまたキョトンとする。やっぱりお風呂が先かな?


「えっと、お風呂に…」

「俺は、一緒のベッドで寝たいんだけど」

「え?一緒に?え?え?え~?」


男が女の家に泊まるということの意味をやっと理解した麻由子は挙動不審になる。布団を出そうとした押入れは閉めたけど、これから何をしたらいいか分からなくて、部屋をうろうろと落ち着きなく歩く。

航平はそんな麻由子を見て笑う。


「あはは。とりあえず風呂借りてもいい?」

「あ、はい。どうぞ!今バスタオル出します…」

「ありがとう」


航平は渡されたモスグリーン色のバスタオルを受け取って、バスルームへ向かう。


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