臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
まだのぼせているのか麻由子はボーッとしている。

航平はせっせと乾かして、仕上げにクシでとかした。


「はい、出来たよ」


乾かし終えた航平は麻由子の髪を持ち上げ、うなじにキスを落とす。


「キャッ!」


突然の感触にびっくりした麻由子は軽く飛び上がった。そんな様子を航平は笑い、「寝よう」と声を掛けた。

寝る。一緒に寝る…。

どんなに好きでも、どんなに近付きたいと思っても、同じところで寝るのは全くの想定外で、立ち上がる航平を見ても麻由子は立ち上がれなかった。

航平に引っ張られてよくやく動きだし、ベッドルームに行く。


航平はベッドの布団を捲った。


「どうぞ。…って、俺のベッドじゃないけど。ほら、早く入って。湯冷めしちゃうよ」

「えっと…」


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