臆病な恋心～オフィスで甘く守られて～

「ん？だめ？」


色気のある目で麻由子を見つめる。その目を逸らすことなんて出来ない。


「だめって…いうか…」

「抱きたい…俺の物にしたい」


優しく抱き締めて、心にある欲望を正直に伝える。

そして、もう一度「だめ？」と聞く。

航平の心臓も麻由子と同じくらい早く大きく動いていた。航平も麻由子ほどではないが、緊張している。好きだから、優しく抱きたいと思うが暴走してしまうかもしれない。

心は些細なことで葛藤していた。優しくするのだと何度も言い聞かせている。


「あ、あの！その、えっと。心の準備が出来てなくて…」


麻由子はどんどん進んで行く展開に気持ちが付いていけないことを分かってもらおうと、必死な眼差しで伝える。

航平は優しく麻由子の頭を撫でる。