臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
新しい年を迎えた朝、麻由子は航平の腕の中で目覚める。

自分を優しく包む航平の腕をゆっくり離して、ベッドサイドの時計を見た。


あと30分で日が昇る時間だ。

麻由子は航平を起こさないように静かにベッドから出て、浴衣を着た。すやすや眠る寝顔を見ながら、前日の事を思い出す。


航平と初めて一つになった後、運ばれてきた豪華な夕食を美味しく食べた。肌を重ねた後だったから、恥ずかしくて直視出来なかったけど、優しく話し掛けてくれた。

だから、楽しい食事時間になった。


その後、二人で露天風呂に入って、除夜の鐘が遠くから聞こえてくる中、もう一度肌を重ねた。夢の中にいるようで、とろける夜だった。


思い出すだけで体が熱くなる。

優しくて、少し激しかった航平。

誰よりも大好きな人。


穏やかな顔で眠る航平の少しクセのある髪の毛をそっと触った。
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