臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「楠本は行くって、言ってるから、森本も誘っておいてよ。たまには同期で飲もう。気晴らしになると思うし」

「あ、うん。千尋に聞いてから連絡するね」


佐久間の心配してくれる気持ちは素直に嬉しかった。千尋も心配してくれている。


(気晴らしか…)


何となく飲みたい気分になる。飲んで嫌なことを一時期でもいいから忘れたい。


自分のデスクに戻った麻由子はスマホを手に取る。航平からメールが届いていた。今夜は課長たちと飲みに行くからという連絡である。


「千尋」

「何?大丈夫なの?」

「うん、大丈夫だよ。今日、飲みに行こう」

「珍しいね。麻由子から言うなんて」


佐久間が誘ってくれて、4人で行こうと言われたことを話す。


「佐久間も気が利くじゃん。うん、行こう!」


今夜は麻由子を励ます会だと千尋は言う。

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