臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
麻由子は潤んだ目でその箱を見つめる。一瞬流れそうになっていた涙が止まる。

航平は置いたその箱に手を伸ばし、パカッと蓋を開けた。


そこには


キラキラ輝くダイヤモンドの石がついている指輪が入っていた。


「結婚しよう」

「え?」


麻由子は視線をキラキラ輝く指輪から航平に移した。麻由子には航平さえもキラキラ輝いて見えた。初めて出逢った時の航平も輝いていた。そして、今も変わらないで輝いている。

眩しいような気がして、目を細める。


「ねえ、麻由子。聞いている?結婚しようよ。 麻由子も、一緒に札幌で暮らそう」

「一緒に?私も…航平さんと?」

「うん。俺と麻由子で一緒に暮らそう」


麻由子の目から止まっていた涙が零れる。結局泣かせてしまった。
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